番頭の「橙書店で売っていた」(その2)

手しごとを結ぶ庭

手しごとを結ぶ庭

陶磁器・木工・染織・ガラスなどの工芸を扱うギャラリーや展覧会を手がけてきた稲垣早苗の20年の記録。物語風なのだけど、品物への向き合い方がいい。
木の器はオイルフィニッシュしただけで、あとはサラダオイルでもパスタのソースでもどんどん使うのがいい。そのことによって表情が変わっていくのは「劣化」ではない。
そういえば、神水の「銀の匙」に行ったときに非常に透明感のあるきれいな器ばっかりだったのだが、器は使い込まれて輝くのだそうだ。適切な扱いをすれば、買ったときよりも美しさを増していく。