「深夜読書のススメ」その4/そうだ、京都行こう…森見登美彦「きつねのはなし」
春の訪れとともにどこかに出掛けたくなった。昨年末からこの方、何かとせわしなかったから、ゆっくり気持ちがほどける場所がいい。真っ先に思いついたのが京都。のんびり街歩きを楽しみたい。昨秋、金閣寺と銀閣寺に行った7歳の娘も一人前に「京都はおもしろい」と言うので、急きょ2泊3日の家族旅行を仕立てた。
それにしても、京都ほど心を惑わせる街はない。シックでおしゃれなもの、かわいいもの、おいしいものがあふれ、建築や美術工芸、自然の美しさは超一級。何より街に流れる空気に魅力がある。京都を舞台にした森見登美彦の小説にはその独特の雰囲気がうまく描かれていて、どの作品を読んでも京都熱が高まる。桜の京都へ行くと決めたらうれしくなって、早速、未読だった「きつねのはなし」を買ってきた。
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/10/28
- メディア: 単行本
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だから都合よく、物欲にまみれる自分も肯定してしまう。スタイリスト・伊藤まさこの「京都てくてくはんなり散歩」には、かわいいとおいしいがいっぱいだ。グニャリとした時のひずみとシックな暮らしが共存する京都に、ああ、早く行きたい。(小野由起子)
- 作者: 伊藤まさこ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/10/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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