助手のオススメ 2

手巾


初夏の午後、大学教授長谷川謹造先生を訪ねて、ある生徒の母親がやって来ました。
母親は、子どもが病の末とうとう亡くなってしまったことを知らせに来たのでした。
先生は意外なことに気づきます。
母親の態度が、ちっとも息子の死を語っているふうに見えないのです。
眼には涙もなく、声も平生の通り、口角には微笑さえ浮かんでいます。
不思議に感じる先生。
ところが、落ちた団扇を拾おうとかがんだとき、先生がテーブルの下に目にしたものは…


これも「スイカに塩」シリーズだと思うのですが…どうでしょう先生?
(こっちの先生はA上先生です)


初出:「中央公論」1916(大正5)年10月



(これは、スイカに塩というよりも、スイカにメロン? かもしれません。詳しくは橙大学で。A上識)