助手による受講生のための予習メモ(10月) その1

いまさら訊けない…夏目漱石ってどんな人?


そんな私や(恥ずかしながら 汗)あなたのために、ざっくり紹介いたしましよう。


本名夏目金之助は、1867(慶応3)年、江戸牛込(現在の新宿区)に生まれます。
2歳のときに養子となって家を出ますが、生家も養家も名主の家柄。
名主とは、町人ではあるけれども苗字帯刀を許されているという、町人の中では武家に近い特別な階層です。
第一高等中学校を経て、東京帝国大学(現在の東京大学)では英文学を専攻し、特待生になります。
高等師範学校(現在の筑波大学の母体のひとつ)英語教師、愛媛県尋常中学校教諭を務め、第五高等学校(現在の熊本大学)教授となった年に貴族院書記官長の長女と結婚をします。
これはもう、エリート街道まっしぐらですよね。
1900(明治33)年、文科省派遣留学生に選ばれた漱石は、2年間ロンドンに留学します。
ところが神経症に悩まされ、一時は妻と別居をするまでに。
そんな漱石に、治療の為にと小説執筆をすすめたのが友人高浜虚子
なんと、「吾輩は猫である」は病気の治療の為に書かれた作品なんですよ。
その後、一切の教職を辞して東京朝日新聞社に入社。
坊っちゃん」「草枕」「夢十夜」「三四郎」「行人」「道草」など、現在まで読み続けられる作品をいくつも残し、1916(大正5)年五十歳で亡くなります。


橙大学 第4回 10月23日(土) 夏目漱石「こころ」 どうしていつまでも読まれ続けているのか @橙書店