vol.2 日本文学講演会


 やり方忘れないうちに第2弾を・・・^^;


 去る3月8日、『にぎやかな湾に背負われた船』で三島由紀夫賞を受賞した作家・小野正嗣氏の講演会がハノイで実施された。主催は、国際交流基金ベトナム日本文化交流センター。高名な作家を含む約90名のベトナム人聴衆を前に、「生きている日本人作家として世界的に最もポピュラーな」村上春樹に焦点をあて、彼と大江健三郎の共通点と相違点、および彼が同時代の日本人作家に与えた影響−特に「翻訳」という行為がもたらしたもの−について語った。


 興味深かったのは、母語と外国語を行き来することで可能となる「壁抜け」について。フランスで作品を書いたという自身の体験を基に、村上春樹だけでなく、川上弘美多和田葉子小川洋子各氏の名もあがった。思えば、隊長もミュンヘン支部長も、そのような多言語状況で創作活動を行ってますよね。大分出身という小野氏、熊本によんでセッションできたら面白いでしょうね〜


 ちなみに、当日配布された参考資料のなかに、過去5年間にベトナム語に翻訳された日本文学作品リストがあった。『坊ちゃん』『砂の女』『美しさと哀しみと』以外は、村上春樹村上龍山田詠美吉本ばななが群を抜いている。


 質疑応答のコーナーでは、ベトナム人から「小説はわかったが、詩の状況はどうか?」という質問も。隊長、今度ほんとにハノイに来ませんか?ちなみに小野氏はこの後、中部のフエ(世界遺産)、南部のホーチミンベトナム最大の商業都市)と移動講演。楽しそうでしょ♪


 蛇足ですが、3月8日は「国際女性の日」。ベトナムでは、この日、男性が女性に花を贈るそうです。母親、妻、職場の同僚・・・娘の幼稚園でも先生方に一輪ずつバラを配っている男の子がいました。アメリカではどうですか〜?