助手による受講生のための予習メモ その3(8月)

「キャラメル工場から」では女工たちの働く姿が描かれています。
あくまでも客観的に、淡々と。
前に書いたとおり、この小説は佐多稲子の自伝的小説です。
どうして客観的に、突き放して書くことができたのでしょうか。


そして、そのせいか、逆に主人公の少女の内面が
語られることはなくともひしひしと伝わってきます。


同じ濃さで描かれているようで、ちゃんと浮び上がってくる少女の内面。
読むたびに新しい発見と、はっとする瞬間があります。


もう一度、かみしめて読んでみませんか。


2011年度 橙大学
第二回 社会化した<少女>のゆくえ
@橙書店