助手(橙大学)

助手による受講生のための予習メモ(2月) その2

説経節 みなさん、Wikipedia伊藤比呂美はご覧になられましたか。 そこに非常に興味深いことが書いてありますね。 「2007年『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』で、説経節と現代詩を融合した独自の語りものの世界を確立する。」 …説経節って何? ちょっと調べてみま…

助手による受講生のための予習メモ(2月) その1

詩人 伊藤比呂美 隊長のプロフィールをここで載せるのも、いまさらというかんじがしますが・・・文学初心者の方のために。 東京都出身。 青山学院大学文学部日本文学科卒業。 1978年『草木の空』でデビュー 1985年『良いおっぱい悪いおっぱい』で、「子育て…

 邪宗門とエヴァと厨二病

橙大学第5回も無事に終わりました。始まる前は「なぜに白秋とサブカルチャー?」と、助手としても不思議で仕方なかったのですが、講座のあとはみなさん「そうつながるんですか〜!」と納得されたご様子。 しかもね、今回は特別大サービスというか、上田敏か…

助手による受講生のための予習メモ(12月) その4

この12年間エヴァより新しいアニメはありませんでした 「エヴァンゲリオン」は、庵野秀明監督のアニメ作品です。 ちなみに奥さんは、『ハッピーマニア』『さくらん』『働きマン』等のマンガ家安野モヨコ。 (Wアンノ) 1995年にTVアニメとして放映が始まり…

助手による受講生のための予習メモ(12月) その3

まるで暗号or呪文? 芥子粒(けしつぶ)を林檎のごとく見す? 大理石(なめいし)の白き血潮? 波爾杜瓦爾(ぽるとがる)らの横つづり青なる仮名? かの奇しき紅の夢? 白秋は何を悟ったの? 何を伝えたいの? 橙大学 第5回 12月11日(土) 「邪宗門」と「…

助手による受講生のための予習メモ(12月) その2

邪宗門ってなに? そのものズバリ、邪悪な宗教です。 しかも一般的にはキリスト教のことと解されている・・・ といってもタダシイ宗教用語とは言い難いんですよ! 豊臣秀吉が天正17(1589)年に出した伴天連追放令以降のこと。 太陽神・天照大神の末裔である…

助手による受講生のための予習メモ(12月) その1

今回のテキスト 「邪宗門」は、いま書店に並んでいる北原白秋の詩集のほとんどに収めてあるみたいですが、以下の詩集は橙書店にあります。 ・・・ありますよね、店主さん!北原白秋詩集 (現代詩文庫 第 2期7)作者: 北原白秋出版社/メーカー: 思潮社発売日: 1…

 橙大学 第5回  『邪宗門』と『新世紀エヴァンゲリオン』!?

えっ! 北原白秋とアニメ!? と、驚かれた方。 無理もありません。 実は、白秋はキリスト教にはたいして興味がなかったし、理解もしていなかったんです。 ただ、そのイメージだけをうまく使った。 そして、成功してしまう。 これは後に社会現象ともなった、…

 夏目漱石編も大盛況

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。 盛り上がりましたね。 伊藤比呂美隊長からも、うれしいコメントをいただきました。 講座が終わった後も、先生は質問攻めにあっていたようですね。 まだ聴き足りない、話し足りない、という方は橙書店隣ora…

 伊藤隊長が橙大学に!

なんとなんと!! 伊藤比呂美隊長が橙大学にいらっしゃいます!! 隊長と番頭のバトル(?)も必見です(起きるのか!?) 橙大学 第4回 10月23日(土) 夏目漱石「こころ」 どうしていつまでも読まれ続けているのか @橙書店

助手による受講生のための予習メモ(10月) その6

ここで引用に使用していた文庫本にも 「親友を裏切って恋人を得たが、親友が自殺したために罪悪感に苦しみ、自らも死を選ぶ孤独な明治の知識人の内面を描いた作品」 と紹介してあったのでした… あらためて、みなさんは「こころ」をどう読みますか? 橙大学 …

助手による受講生のための予習メモ(10月) その5

「先生」を読む 最後は再び「先生」に戻ります。 とは言っても、やはり読むのは「上」なんです。 「恋は罪悪ですか」と私がその時突然聞いた。 「罪悪です。たしかに」と答えた時の先生の語気は前と同じように強かった。 「何故ですか」 「何故だか今に解り…

助手による受講生のための予習メモ(10月) その4

「奥さん」を読む 今回はなんと、「奥さん」に注目して読んでみましょう。 「御嬢さん」ではなく、「奥さん」です。 そう。「上」を読むんですよ。 「子供でもあると好いんですがね」と奥さんは私の方を向いて云った。私は「そうですな」と答えた。然し私の…

助手による受講生のための予習メモ(10月) その3

「私」を読む 「こころ」の話題になると、「先生が」「Kが」「御嬢さんが」とつい話してしまいがちですが、みなさん忘れてはいけません。 語り手は「私」ですよ。 「こころ」は、「私」という語り手による一人称小説なんです。 前回は「上」と「中」を重点…

助手による受講生のための予習メモ(10月) その2

「下」を読んできた私たち 「夏目漱石の『こころ』って、どんな話でしたっけ?」 と尋ねると、 「先生が友人K(このイニシャルは覚えている人が多い!)の好きな女の子を奪って、そしたらKが自殺しちゃった話」 と答える方がほとんど。 ん?それって、「下…

助手による受講生のための予習メモ(10月) その1

いまさら訊けない…夏目漱石ってどんな人? そんな私や(恥ずかしながら 汗)あなたのために、ざっくり紹介いたしましよう。 本名夏目金之助は、1867(慶応3)年、江戸牛込(現在の新宿区)に生まれます。 2歳のときに養子となって家を出ますが、生家も養家…

知らずにこのタイトルをつけていました

「漱石は、われわれの所有する数少ない国民的作家の一人である。いや、その文業の奥行きを考えれば、彼こそ近代日本の持ち得た唯一の国民的作家の感があるといってもよい。しかし、なぜ漱石のみが他の作家をしのいで、かくも多くの読者を獲得し、現代に生き…

 橙大学 第4回  夏目漱石『こころ』 どうしていつまでも読まれ続けているのか

「国語の授業で習いました」という声をよく聞きますが、 長年、定番教材として学校でも扱われてきた『こころ』が発表されたのは大正時代。 どうやら『こころ』の読まれ方にはその時代時代の状況が反映され、今日まで読まれ続けているようです。 というのも、…

 芥川編も大盛況

「西日本新聞を見て予約しました」 「文学館の読書会で知りました」 と、初めて参加される方が多い回でした。 活発に、しかも鋭い意見が出て、助手にとっても刺激的な時間でした。 芥川編の結論は…「花火」です。 そうですよね、先生? ええと、それじゃTwit…

 いよいよ明日

『芥川龍之介は「スイカに塩」だ!!』 開場 18:30 開始 19:00 場所 橙書店 定員 15名 受講費 1,500円(1ドリンク付!!) お待ちしてま〜す☆

 助手のオススメ 3

袈裟と盛遠 盛遠の独白。 「己は今夜、己の憎んでいない男を殺さなければならない」 「三年間、成程己はあの女のことを忘れずにいたにちがいない」 「必ず、己はこの女に殺されるだろう」 袈裟の独白。 「私自身を頼みにする事の出来なくなった私は、何と云…

 助手のオススメ 2

手巾 初夏の午後、大学教授長谷川謹造先生を訪ねて、ある生徒の母親がやって来ました。 母親は、子どもが病の末とうとう亡くなってしまったことを知らせに来たのでした。 先生は意外なことに気づきます。 母親の態度が、ちっとも息子の死を語っているふうに…

 助手のオススメ

個人的な話になりますが… 助手は芥川龍之介が大好きです。 「戯作三昧」「舞踏会」「南京の基督」は、読んでおくと聴講に直接的に役立つ作品。 ここからは助手の個人的なオススメ作品です。 地獄変 平安時代。 天下一の腕前として高名な絵仏師良秀は、猿のよ…

助手による受講生のための予習メモ(8月) その3

南京の基督南京奇望街のある家の一間に、色の蒼ざめた支那の少女がいました。 彼女は夜々部屋に客を迎える私娼。 歳は十五。 稼いだ金で、老いた父親を養っています。 ところが、あるときから悪性の梅毒を病んでしまいます。 友人は「客に移せばきっとよくな…

助手による受講生のための予習メモ(8月) その2

舞踏会 明治の頃、とある家の令嬢明子は、生まれて初めての舞踏会に出席するため、鹿鳴館に出掛けます。 美しく咲き乱れる菊の花、爽やかな香水の匂、婦人たちのレエスや花や象牙の扇… その雰囲気に劣らず美しい明子は、仏蘭西の海軍将校に誘われ、ワルツを…

助手による受講生のための予習メモ(8月) その1

「戯作三昧」 作品を愛読する者、批判する者、本屋、画家、弟子入りを願う男… ある秋の日、馬琴滝沢琑吉は彼らとのやり取りの中で、自作について、あるいは自分という人間について思い悩みます。 そこにつきまとうのは「芸術」という言葉。 孫の他愛もない冗…

橙大学 第3回 芥川龍之介は「スイカに塩」だ!!

芥川の短編の結末には、「これがなければ綺麗にまとまるのに〜」と つい突っ込んでしまいたくなるような、「余計な一言」が多くの作品に付いています。 それは本当に余計なのか? 短編と言えば芥川、あるいは短編しか書けなかった芥川。 彼の創作技法に迫り…

 行定スペシャル 感想〈9〉

22日土曜日夜のひととき、行定監督のプライベート講座を聞かせて頂きました。 私自身の中では、「世界の中心で、愛をさけぶ」の名監督だということは知っていながら、他の作品は、正直言って観てなかったのです。(恥ずかしながら、すみません) でも、少…

 行定スペシャル 感想〈8〉

先日は長時間に及ぶご講演と、打ち上げでの様々な面白い話を本当にありがとうございました。 監督業の裏話もですが、本当にそれ以上に面白いといっても過言でない、おそらくあの数時間ではまだまだ語りつくされていない人生経験がまた面白かったです。 おそ…

 行定スペシャル 感想〈7〉

先日は、興味深いお話を沢山聞かせて頂きありがとうございました。 私は、24歳事務職員。 350年熊本に伝わる文化を継承する家に生まれました。 「世界の中心で愛を叫ぶ」ができるまでのお話は、なかなか知ることが出来ないのでとても面白かったです。 また、…